曲名 種別 季節 人数 所要時間
禰宜山伏 ねぎやまぶし 鬼山伏狂言 なし 4人 約30分
あらすじ
横柄で乱暴な態度の山伏が、とある茶屋で禰宜(神職)に文句をつける。 見兼ねた茶屋の亭主は、大黒の像を持ち出し、二人に呪力の競い合いを勧める。 山伏の行力と、禰宜の祝詞・・・はたして大黒の像はどのような審判をくだすのか・・・。

登場人物
一. 山伏(シテ) 修験者。山に篭って苦行をする修験道の修行僧。狂言に登場する山伏は、大峰〜葛城(奈良)の山々にて修行をし、苦しい修行の末、不思議な力「行力(呪力)」を身につけたと自慢する。(山に伏す=山で寝るの意。)
ニ. 禰宜(アド) 伊勢神宮の神職。
三. 茶屋(アド) 茶屋の亭主。
四. 大黒(アド) 作り物のお大黒(像)。
わかりやすい用語解説

カナ→=。

マイネンマイネンナシテソクサイデ→毎年毎年足手息災で=身体健全。

ゴカナイ→御家内=家内。

カイヲモモタヌヤマブシガ→貝をも持たぬ山伏が=法螺貝(ほらがい)を持たぬ駆け出し山伏と、かい緒(崖などを登る道具)も持っていない山伏を掛けた句。カイ緒が無いということは、あまり荒修行はしていない山伏?

ミチミチウソヲフコウヨ→道々うそを吹こうよ=道すがら口笛を吹こう(法螺貝がないので)。

デワノハグロサンヨリイデタル→出羽の羽黒山より出たる=出羽(奥羽の一国)羽黒山(古来修験道の霊地として有名な山)出身の。

カケデノヤマブシデス→掛け出の山伏で山伏です(です=口語体(〜でござる)と、文章体(〜で候)の中間にあたる語)。

オオミネカヅラキヲシマイ→大峰葛城を仕舞=大峰山(奈良県吉野郡)・葛城(奈良と大阪の分界にある山脈)にて修行を終え。

ギョウワマンギョウアリ→行は萬行あり=修行の種類は様々ある。

ノニフシヤマニフシ→野に伏し山に伏し=野に寝て、山に寝て。

ナンギョウクギョウ→難行苦行=難しい修行、苦しい修行。

キドク→奇特=不思議。

マノマエ→目の前=目の前。

ギョウリキ→行力=修行の力(呪力)。

オウカンデチャヤヲシナガラ→往還で茶屋をしながら=往来(道路)で茶屋をしていながら。

カタバコ→肩箱=山伏が経文や、仏具等を入れる小箱。

タテハガゴザル→立て派が御座る=立場がある。

イチレイショウヨウガナイ→一禮せう要はない=頭を下げる必要は無い。

ムタイナコトヲ→無体な事を=無理(無法)な事を。

ロンガヒマセヌ→論が非ませぬ=論じていてもしかたがない。

リヒガワカリマセヌニヨッテ→理非がわかりませぬに依って=道理がわかりませんので。

イノリカジヲモッパラトセラレマスル→祈り加持を専らとせられまする=加持祈祷を専門とする。

ショウボウニキドクナシ→正法に奇特なし=正しい法門には特に不思議な事は無い。

ゴヘイ→御幣=神祭具の一。白色、または五色などの紙を幣串に挟んだもの。

サクノオダイコク→作のお大黒が御座る=作り物の大黒像。

ヨウゴウアッタホウヲカチニイタシマショウ→影向有った方を勝ちに致しましょう=影向(神仏の本体が化現)した方を勝ちにしましょう。

ヤマブシトイッパ→山伏といっぱ=山伏というのは。

ナニトシュショウナカ→何と殊勝なか=どうだ優れているだろう。

デワノウテ→ではなふて=では無くて。

タソ トラエテクレイ→誰そ捕らえてくれい=誰か捕まえてくれ。

ヤルマイゾ→やるまいぞ=逃がさないぞ。

演目メニュー トップページ