曲名 種別 季節 人数 所要時間
口真似 くちまね 小名狂言 なし 3人 約18分
あらすじ
お酒の飲み相手を探してくるよう主人より命じられた太郎冠者は、知り合いの男を訪ね、男を連れて戻ります。 しかし男は酒癖が悪い事で有名である、なぜそのような者をつれてきたのだ、と太郎冠者は叱られてしまいます。 連れてきたお客を追い返すわけにもいかず、仕方がないので主人は男を座敷へ通し、自分の言うとおり余計な事はせぬよう に振舞って、もてなして帰そうと思いつくのですが、言葉をはきちがえた太郎冠者・・・・果たして結末は・・・・。

   己憎い奴の お盃を持てとは 汝に言いつくる事じゃ…

登場人物
一. 太郎冠者(シテ) 主人に仕える一番目の召使いで、冠者とは、元服(成人)した者を指す言葉ですが、身分は主人に隷属する下人階級となります。真に人間的な主張も主人の耳には届かぬ事もある太郎冠者ですが、狂言では庶民的な立場から、この太郎冠者の活躍劇が多く描かれており、様々な曲に登場する狂言の代表キャラクターです。
ニ. 主人(アド) 太郎冠者(主役)の主人に当たる役柄。去る方より御酒を一樽戴いた為、飲み相手を求め、太郎冠者を使いに出す。大名より位の低い小名の位となります。「アド」とは、主人公「シテ」に対し、相手役を指します。
三. お客(アド) 太郎冠者の知り合い。曲中の言葉に「御酒をまいるとつっと面白いお方で御座る」と太郎冠者談。「一杯飲めば一寸抜き、二杯飲めば二寸抜くような(刀)恐ろしい人」との主人談。二通りの人物像があげられるが…。
わかりやすい用語解説

コレハ コノアタリニスマイ イタスモノデゴザル→是は この辺りに住居 致す者で御座る=私は、この近所に住んでいる者です。

サルカタヨリ→去る方より=ある人から。

ヒトリタブルモイカガ→独りたぶるも如何=一人で飲むのもどうか。

ゴシュヲイッソントウライイタイテ…→御酒を一樽到来致いて・・・=お酒を一樽戴いて・・・。

タソ→誰そ=誰か。

ネンノウハヤカッタ→念無う早かった=余念も無く早かった。

センサクヲシテヨウデコイ→穿鑿をして呼ふで来い=よく調べて(考えて)呼んで来い。

ムツカシイ→六ケ敷い=難しい。

タレドノエマイロウゾ→誰殿へ参ろうぞ=誰のところへ行こうか?。

マイッタセンモナイコトデゴザル→参った栓もない事で御座る=来た甲斐がない。

モノモウアンナイモウ→物申案内申=(訪問の際の挨拶語)。

タノウダモノ→頼うだ者=主人。

コナタ→此方=あなた。(目上の人に対して使う)。

タイギデアッタ→大義であった=御苦労だった。

イッパイノメバイッスンヌキ…→一杯飲めば一寸抜き二杯飲めば二寸抜く=酒を飲むごとに刀を抜く(酒乱の例)。

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