曲名 種別 季節 人数 所要時間
柿山伏 かきやまぶし 鬼山伏狂言 2人 約16分
あらすじと謡
出羽の羽黒山出身の山伏(修行僧)が修行を終え、国へ帰る途中、のどの渇きを覚える。 茶屋を探すが、見つからず、柿の木を見つけ、やっとの思いで柿を食べ始める。 柿の木畑の主が現れ、盗み食いが見つかった山伏は、いろいろな動物の物まねをさせられてしまう。 狂言の曲中、山伏の登場する曲は7曲ほど存在しますが、いずれも当時の傲慢な山伏への風刺が描かれています。

貝をも持たぬ山伏が 貝をも持たぬ山伏が 道々うそをふこうよ

登場人物
一. 山伏(シテ) 出羽の羽黒山出身の山伏 (山に篭って難行・苦行をする修験道の修行僧)。本曲に登場する山伏は、法螺貝(ほらがい)も持っていない 駆け出しの山伏で、大峰山〜葛城山の山々にて修行をし、苦しい修行の末、不思議な力「行力(呪力)」を身につけ たと自慢する。
ニ. 畑主(アド) 畑の主。柿畑を持つ。
わかりやすい用語解説

カイヲモモタヌヤマブシガ→貝をも持たぬ山伏が=法螺貝(ほらがい)を持たぬ駆け出しの山伏と、かい緒(崖などを登る道具)も持っていない山伏を掛けた句。カイ緒が無いということは、あまり荒修行はしていない山伏?

ミチミチウソヲフコウヨ→道々うそを吹こうよ=道すがら口笛を吹こう(法螺貝がないので)。

デワノハグロサンヨリイデタル→出羽の羽黒山より出たる=出羽(奥羽の一国)羽黒山(古来修験道の霊地として有名な山)出身の。

カケデノヤマブシデス→掛け出の山伏で山伏です(です=口語体(〜でござる)と、文章体(〜で候)の中間にあたる語)。

オオミネカヅラキヲシマイ→大峰葛城を仕舞=大峰山(奈良県吉野郡)・葛城(奈良と大阪の分界にある山脈)にて修行を終え。

ギョウワマンギョウアリ→行は萬行あり=修行の種類は様々ある。

ノニフシヤマニフシ→野に伏し山に伏し=野に寝て、山に寝て。

ナンギョウクギョウ→難行苦行=難しい修行、苦しい修行。

キドク→奇特=不思議。

マノマエ→目の前=目の前。

ギョウリキ→行力=修行の力(呪力)。

ジョウジョウノノボリドコロ→上々の登り所=うってつけの登る足掛け。

ナムサン→南無三=しまった!!。

ソレワタレガ→それは誰が=それは誰が。

フカシイコトワアルマイ→深しい事はあるまい=深手を負う事はあるまい。

ヤマブシトイッパ→山伏といっぱ=山伏というのは。

ナニトシュショウナカ→何と殊勝なか=どうだ優れているだろう。

デワノウテ→ではなふて=では無くて。

ヤルマイゾ→やるまいぞ=逃がさないぞ。

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